肺がん検診とは?
肺がん検診とは、肺を中心に(気管・気管支などを含む臓器を)検査することによって、主に肺がん(さらには肺気腫、肺炎、肺結核などの)リスクを調べる検査コースの総称です。肺がんは、がんの部位別死亡数で1位(大腸がんや胃がんを上回る)となっており、疾患リスクの早期発見は、受診者や家族はもとより社会的にも大きな意味を持っています。
実際の肺がん検診では、胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査や胸部X線(レントゲン)検査、喀痰細胞診検査などが実施されます。喫煙者や喫煙歴の長い人、日ごろから咳や痰の出る人などへの受診が推奨されています。
受診費用
肺がん検診にかかる費用はおよそ1〜2万円
施設やコースによりますが、肺がん検診の費用は1〜2万円が相場です。どの検査を選ぶかによって費用は大きく変わってくるため、どのコースが適切かは受診予定の医療機関に問い合わせてみるとよいでしょう。
検査の必要性
罹患数は年間12万人!年齢別でみる傾向
肺がんは死亡数だけではなく、罹患数(りかんすう/新たにがんと診断される人数)も多いがんです。国立がん研究センターの統計(2019年5月更新)によると、がんの部位別罹患数(2015年)は肺がんが3位、全年齢の罹患数は11万6千例です。
年齢別で見ると、30代の罹患数は500例以下ですが、50代になると約8千例、60代で2万9千例、70代で4万1千例と、歳を重ねていくとともに大きく増加していることがわかります。
検査内容
施設や受診コースによって異なる
肺がんの一次検診には、「胸部X線検査」を含むいくつかの検査があります。コース内容を今の健康状態や年齢と照らし合わせて、必要な検査を見極めるようにしましょう。
胸部X線検査(胸部レントゲン検査) | よくある健康診断で受けるレントゲンのことです。肺の腫瘍や肺炎、肺結核を見つけることができます。 |
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血液検査 | 血液の検査を行います。肺がんの腫瘍マーカー(がんが作り出す特殊な物質)として、CEA、SCC、proGRP、NSE、Cyfra21-1などがあります。 |
喀痰細胞診 | 痰(たん)を採取し、痰のなかにがん細胞が存在するか顕微鏡を使って調べます。1度では見つけられないこともあるため、一般的には3日分を採取し検査します。喀痰を容器に採取する際、菌の混入を防ぐためティッシュやガーゼを経由せず直接入れましょう。 |
胸部CT検査 |
CT(コンピューター断層撮影法)とは、身体にX線を照射して輪切りした断面像により、身体内部の構造をくわしく調べる方法です。胸部単純X線にくらべ、初期段階の小さながんを発見することが可能で肺の病変の早期発見に最適です。心臓ペースメーカーなど体内に金属が存在する場合は検査ができないことがあるので事前に確認しましょう。 肺がん以外の呼吸器の疾患(肺結核・肺気腫・肺炎・気胸など)や、肺以外の疾患(心拡大や胸部動脈瘤、食道がんなど)が発見されることもあります。 |
予約〜検査
肺がん検診検査前日
準備 |
食事制限などはとくにありません。 CT、レントゲン共に被ばくします。妊娠中や妊娠の可能性のある人は検査できませんので、事前に確認しましょう。 |
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肺がん検診当日
着替え |
施設により検査着を用意しているところもありますがないところもあります。金属だけでなく、洋服の柄もレントゲンに移る可能性があるため、一番下に身に着けるものは金具や模様のない無地の物を着ていくようにしましょう。 髪の長い人は結ぶように指示されることが多くあります、髪ゴムを持参しましょう。 |
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時間 | 胸部X線検査や胸部CT検査は10~20分ほど |
肺がん検診終了後
時間 | 2~3週間後に郵送 ※受診クリニックによって検査結果期間・結果報告方法は異なります。 |
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