レディースドックとは?
レディースドックとは一般的に、スタンダードな人間ドックの検査項目に婦人科検診(乳がん検診+子宮がん検診)を加えた検査コースのことを称します。がん・心臓病・脳血管疾患などの重大な疾患のリスクと同時に、女性特有の乳がん・子宮がんリスクも調べます。
女性に特化した検査内容のため、施設や検査コースによっては女性医師・女性検査技師が対応する場合もあります。また、女性受診者のみを受け付ける「レディースデー」の設定や女性専用エリアを設置するなど、女性への配慮に取り組むケースも多くみられるようになりました。
受診費用
レディースドックの費用はおよそ4〜6万円
一般的にレディースドックの受診費用は、およそ4〜6万円といわれています。検査項目や医療機関によっても様々ですので、受診時は医療機関に確認をしてください。
レディースドックは任意の検査であるため、全額自己負担となります。ただしご加入の健康保険組合によっては、人間ドック費用の一部助成を行っている場合もあります。
また、異常があった際の二次検査は保険診療です。
検査の必要性
女性のがん部位別罹患数は「乳がん」が多い
がんは日本人の死亡原因1位です。誰にでもそのリスクが潜んでいると言っても過言ではありません。女性のがんの部位別罹患数を見ると、多い順から乳房・大腸・胃・肺・子宮と並びます(2014年国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)。
この乳がんに対するリスクを調べる検査項目が、レディースドックの多くで設定されています。また、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜症などのリスク発見にもレディースドックが役立てられます。
検査項目は医療機関によって異なりますので、確認の上で受診しましょう。
生活習慣や遺伝もリスク要因に
婦人科疾患は生活習慣や遺伝もリスク要因になると考えられています。下記に思い当たる場合はレディースドックの受診を検討してみましょう。- 喫煙習慣
- 肥満
- 動物性脂肪の多い食事が好き
- 運動不足
- 多量の飲酒習慣
- 近親者に婦人科系疾患者がいる
- ストレスを感じることが多い
検査内容
施設や受診コースによって異なる
一般的な健康診断・人間ドックに含まれる検査項目のほか、レディースドック独自の検査項目からなります。
マンモグラフィ(乳房X線撮影検査) | 乳がんの検査。マンモグラフィはX線で乳房を撮影します。この検査で、乳房から脇の下にあるリンパ節にかけて、しこりの有無や大きさ、乳腺のゆがみ、石灰化などを観察します。 |
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乳腺エコー検査(乳腺超音波検査) | 乳がんの検査。ベッドに横になって片手を上げ、手を上げているほうの胸に超音波をあてて、はね返ってくる超音波(エコー)を画像化して異常がないかを調べます。X線を使用しないので、妊娠中の人や妊娠の可能性のある人も検査可能です。 |
子宮内膜細胞診 | 子宮体がん検査。子宮内膜の細胞を採取し、がん細胞やがん細胞になりかけているもの(異型細胞)がないかを顕微鏡で観察します。 |
子宮頸部細胞診 | 子宮頸がん検査。婦人科医が子宮頸部を綿棒などで軽くこすって細胞をとり、顕微鏡でがん細胞がないかを調べます。 |
経膣エコー検査(経膣超音波検査) | 卵巣がん、子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣のう腫の検査。細い超音波器具(プローブ)を膣内に挿入し、はね返ってくる超音波を見ながら子宮の状態を調べます。 |
腫瘍マーカーCA125 | 卵巣がんの細胞が作りだす物質であるCA125の濃度を測定する血液検査。 |
予約〜検査
レディースドック検査前日
準備 |
生理中は正しい結果が得られない場合がありますので、生理日を避けた日に予約しましょう。 |
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レディースドック検査当日
問診 | 自覚症状や月経の状況、妊娠や出産歴などを問診票に記載し、これを医師が確認して気になる症状などを聞かれます。また、予約された検査の内容を説明します。問診の結果、予約された検査の変更が必要になることがあります。 |
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診察 |
検査着に着替えます。更衣しやすい上下が分かれた服を着ていくと準備しやすいでしょう。検査着のない医療機関もありますので、気になる方は事前に確認しておきましょう。
身体測定、血液検査、肺機能検査、心電図、眼科検査、上部消化管検査など基本的な検査が行われます。その後、女性特有の疾患に関する検査(マンモグラフィーまたは乳腺エコー、子宮頸がん検査など)が行われます。 |
時間 | 1時間半~3時間ほど |
レディースドック検査終了後
面談 |
更衣を済ませたあと、医師による結果説明があります。定期的な受診が大切になるため、次回受診のタイミングも確認しましょう。
総合的な結果は1~2週間後に郵送となる場合もあります。 |
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選び方
年代や検査項目でコースを選ぶ
気になる婦人科疾患がある場合、該当する検査項目が設定されているコースを選択しましょう。自分の年代の疾患リスクが高い検査項目を選ぶこともポイントです。
通いやすい立地の医療機関を選択
自宅や勤務先近くなど、通いやすい医療機関を選択しましょう。女性スタッフによる対応、子どもを連れての受診(託児所の設置など)に配慮していることも、通いやすさにつながります。経時的に把握するためにも、毎年同じ医療機関で受診することもポイントです。
その他、女性に配慮した工夫があるところを
検査を受けることに不安や緊張を感じたり、見られることが恥ずかしいと対抗を感じる女性もいるでしょう。近年ではそうした女性に配慮がなされた医療機関もありますので、選択基準のひとつとして把握しましょう。以下はその一例です。- 女性専用フロアあり
- 全て女性スタッフ・女性医師・女性技師による対応
- メイク直し用パウダールーム完備
- キッズルーム完備
- 働く女性が受診しやすいよう土曜日に実施
- レディースデーの設定
この記事の監修ドクター