一般財団法人 浜松光医学財団 浜松PET診断センターの写真・動画・インタビュー
一般財団法人 浜松光医学財団 浜松PET診断センターインタビュー
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)を使用することで、がんを始めとした病気にならない診断や予防を行い、受診者の健康維持に努めております
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【Dr.インタビュー】院長:西澤 貞彦 先生
総合的ながん検診を2003年から実施し、人間ドックに関してもこれまでいろいろな検査を重ね、病変の見逃しがないように努めております。また、PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)を利用することで、身体にできるだけ負担をかけずに全身のがんのスクリーニングを行い、病変の早期発見・早期治療を含め、病気になる前に病気の芽をつまむ予防医学を重要視することで受診者の健康寿命を延伸につながる人間ドック・検診を目指しています。
昨今注目度が増している「健康長寿」や「予防医学」の重要性についてのお考えをお聞かせください。
健康長寿という言葉は皆さんもよく聞くと思いますが、現実は亡くなるまでの10年間、病気の後遺症などで自由に動けない状態の方が多いです。そのため健康寿命を延ばすということは非常に大切であると考えます。当院ではがんや認知症を中心に検診を行っておりますが、全身の健康を管理できるようにそれ以外の疾患の発見も検診によって可能であるなど、病気にならない、なる前に見つけることを基本とした検診を提供しています。
静岡県浜松エリアに位置しているということで受診される方のプロフィルや見つかりやすい疾患の傾向などはありますか?
受診者はもちろん浜松市の方が多いのですが、他にも近隣の名古屋、新幹線沿いの金沢、京都や大阪からも来院される方も多いため浜松という地域性や疾患の傾向は分かりません。しかし、当院にいらっしゃる受診者の皆さんは、日頃運動をして健康を維持しつつ、定期的に自ら検診を受けることによって自身の体が本当に健康かどうかをチェックしたいと健康意識の高い方が多いです。
人間ドックを推奨する受診者の年齢やプロフィル、受診頻度の目安などがあれば教えてください。
総合的ながん検診を受けていただくという意味で、若い人もがん検診を受けることはとても大切ではありますが、がんが増える年代である40歳以上の方、特に50代、60代の方には積極的に受けていただきたいと思います。また、簡易脳ドックに関しては、もっと年齢が若い方にも推奨しております。そして、肺がんの主な要因は喫煙であるため、これまでタバコをたくさん吸われてきた方には肺がん検診を推奨しています。
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)はどのような病気の発見を行うものなのでしょうか?また、検査方法について詳しくお話をお聞かせください。
PET(陽電子放出断層撮影)自体は、主にがんの診断に使用する医療機器になり、がん細胞がブドウ糖を大量に取り込むという性質を利用し、ブドウ糖に似た薬剤を投与することで、がん組織や炎症に集まる部分を撮影します。これだけでもがんの診断にはかなり役立ちますがPET(陽電子放出断層撮影)とコンピューター断層撮影(CT)を組み合わせることで病変の大きさや場所などが分かりやすく、病変と病変でないものの鑑別を行うのに有用です。
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)の有用性が特に高いとされるがんの種類などはあるのでしょうか?
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)でも、がんの種類によっては発見することが難しい場合もあります。FDG-PETがん検診ガイドライン(2007)によると、特に有用性が高いとされるがんは、頭頸部(けいぶ)がん、すい臓がん、大腸がん、子宮体がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、悪性リンパ腫などと言われております。そのため、これらのがんの心配をされる方がいらっしゃいましたら、PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)検査を受けていただくことで病変の早期発見に貢献できると思っております。
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)検査を行う上での特徴について、詳しく教えていただけますでしょうか?
PET(陽電子放出断層撮影)-コンピューター断層撮影(CT)検査では、一度の検査で身体の広い範囲を撮影することができるため、通常の検診を受けているだけでは対象とならないような思いがけない部位でがんを発見することも可能です。また、非常に小さながんも発見することができるため、早期治療につなげることができ、結果、身体に大きな負担をかけずに治療を行うことができます。検査時も、FDGという薬剤の注射は必要ですが、できる限り苦痛や不快感に配慮した検査の一つだと考えています。
検査を受けるときの被ばくを心配されている受診者も多くいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。
当センターで設定しておりますPET検査とCT検査では、もちろん微量の放射線被ばくを伴うことになりますが、その後の健康に影響を与えるレベルではないと考えております。ちなみに、当センターで実際に皆さんに受けていただいているPET総合コースの1回あたりの被ばく量は約7ミリシーベルトであり、この被ばく量で急性の放射線障害が起きる可能性は低いため、がんの早期発見を優先していただく方が身体への負担も小さいと思います。
PETがん検診は、どのぐらいの頻度で受けるのが理想なのでしょうか?
今年の検診で何も異常が発見されなかったとしても、がんの種類によっては急速に進行するものもあります。そのため、一度検診を受けて終わりではなく、継続的に検診を受けていただくことで、以前の画像と比較をして画像診断を行うことができ、そこから読み取れたわずかな変化から病変の早期発見、早期治療につなげることも可能となります。
検診日当日は、どのような服装をしていけばよいですか?特に気を付けた方がよいことなどがあれば教えてください。
検査を受けていただくときには、当センターで用意しております検診衣にお着替えいただくため、服装を特に気にしていただく必要はございません。しかし、金属のついている下着や保温下着などは、着用することができないため気を付けていただければと思います。また、検査時には手荷物は更衣室のカギ付きのロッカーに預けていただくことができますが、高価な貴重品などはお持ちにならないでください。
当日に検査結果を聞くことは可能でしょうか?また、検査結果はいつ受け取れますか?
受けられる検診コースにもよりますが、受診日当日に医師による仮結果説明をいたします。また、最終的な検査結果表については、受診日から約2週間で受診者のお手元に届くように郵送いたしますので、検査についての詳しい結果はそちらをご確認いただければと思います。その検査結果表をご覧になって、何か疑問やご不明な点がございましたら、当センターに遠慮なくお問い合わせいただければ、丁寧に対応させていただきます。
検査の結果何か異常が見つかった場合は、どのような対応をされますか?
当センターの検診によりがんが発見されたり、脳疾患が疑われた場合には他の医療機関で精密検査を受けていただくことになります。当センターは、さまざまな医療機関と医療連携をしておりますので、万が一何か病気が発見された場合は、迅速に治療を開始していただけるようにすぐに連携している医療機関を紹介させていただきます。また、ご希望の医療機関などがあれば相談いただければと思います。