岡山東中央病院の写真・動画・インタビュー
岡山東中央病院インタビュー
上部内視鏡検査が苦手な方にもできるだけ快適に検査を受けていただき、病気の早期発見ができるように経鼻内視鏡を導入しています
-
【Dr.インタビュー】院長:眞鍋 良二 先生
上部内視鏡検査が苦手で検査を受けたくないという声をよくお聞きしますが、この検査はバリウム検査より病変を早期発見することが可能です。そのため、多く方に受けていただけるよう、経鼻内視鏡を導入することで受診者の身体への負担を軽減し、検査を受けやすい環境を整えております。また、がんをできるだけ早期に発見されたい方たちのために胸のCT検査を行っており、2mm程度の小さながんを症状がない状態で発見することが可能です。
どのような方に人間ドックを受けていただきたいとお考えですか?
当院は、医療生協の医療施設であるため、生協の組合員の方たちが病気になったときの医療を提供するだけではなく、病気にならないように予防活動も行っております。人間ドックを始めとして、健康談話などを行って病気に対しての認識を持ってもらって予防していただけるように努めております。現代は、ストレスなどで病気になる方が多いため、そのような方たちにも病気の予防のために人間ドックを受けていただきたいと思います。
先生が検診を行う中で、特に気を付けてみている疾患や生活習慣などはありますか?
お酒とタバコの問題については特に気にしています。アルコールは、ほとんどの方が飲まれていて、以前は厳しく禁酒をするように言っていた時期もありますが、今は節酒といって適度のお酒を飲むように伝えています。また、人間ドックの検査の中には、肺機能検査もあって今の肺の状態も分かるため、喫煙をされていらっしゃる方には肺の検査をおススメいたします。
健康のためにタバコを止めたいと思っていても止められない方へのアドバイスをお願いします。
タバコを止めたくてもなかなか個人では禁煙が続かずにこれまで何度も挫折された方もたくさんいらっしゃると思います。当院では、禁煙治療も行っておりますので、タバコを止めたいと思っている方にはぜひ通っていただければと思います。禁煙治療では、良いクスリがたくさん出てきており、内服することでタバコが欲しくなくなるようなクスリもあるため、おすすめしております。
人間ドックの中で設定されている胃がん検診について詳しくお話をお聞かせください。
当院は、経鼻内視鏡を使用して胃がん検診をしております。経鼻内視鏡を使用した場合は、経口内視鏡に比べるとだいたい5人中4人はラクに検査を受けることができるとお話を聞きます。また、検査中にもお話をしながらできるというくらいで、この程度であれば毎年受けても良いと言われる方がたくさんおられます。そして、検査を行うとピロリ菌の感染も確認できるため、胃がんの予防のためにも受けていただきたいと思います。
ピロリ菌の検査は、どのような方達が受けるべきなのでしょうか?
ピロリ菌はだいたい60歳以上の方は7割から8割いると言われています。最近はだいぶ減ってきていると言われていますが、30代の人の中でも一定程度の方はピロリ菌に感染しておられます。細菌検査をする中で30代の女性にピロリ菌が発見され、その後除菌されたというケースもあります。そのため、誰でも一度はピロリ菌の検査を受けていただき、ピロリ菌の有無を確認していただければと思います。
ピロリ菌検査の他に、先生が受けた方が良いと思われる検査はありますか?
特に喫煙されていらっしゃる方には肺機能検査を受けられることをおススメします。今、タバコに起因するCOPDになって在宅酸素をされている人が多くいらっしゃいますが、肺機能検査を受けることで肺の状態が分かり、COPDを未然に防ぐことができますので、自分は大丈夫と思っている喫煙者の方にも、ご自身の肺の状態を一度検査していただければと思います。
腹部超音波検査では、主にどのような部位を検査されるのでしょうか?
検査できる臓器は、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓です。1番多く見つかる疾患としては、胆石症や胆のうポリープですが、肝臓の血管腫、良性腫瘍なども比較的多く見つかっています。あと、膵(すい)がんを早期に見つける方法というのはあまり多くないのですが、その多くない中でも膵(すい)がんを早期に見つける方法としてはこちらの超音波検査が今のところは望ましいと思っています。
胸部CT検査を行う目的について、詳しくお話をお聞かせください。
胸部レントゲンでは、胸部側から写真を撮るだけのため,心臓の裏に隠れているがんや骨などにかかったがんは非常に見にくく、さらに小さいがんについては5mmを超えないとなかなか分からないことが多いです。しかし、胸部コンピューター断層撮影(CT)では2mm以上の大きさのがんであれば発見することが可能であるため、検診では胸部CT検査をおススメしております。
内臓脂肪CT測定とは,一体どのような検査をするものなのでしょうか?
内臓脂肪CTは,一般的なCTを撮って、その断面に何センチ平方メートルの脂肪が蓄積されているかを知ることができます。今、肥満の程度は体格指数(BMI)で調べますが、必ずしもBMIと脂肪量は一致しないため,本当に肥満かどうかを調べようと思えば内臓脂肪CTを撮るのが良いです。また、内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上および高血圧、脂質異常症のいずれか二つを罹患(りかん)しているとメタボリック症候群と判断されます。
検診の結果,何か問題が見つかった場合、その後の対応についてお話をお聞かせください。
検査結果が約2週間後に受診者の皆さんのお手元に届きます。そして、その後は基本的には一度当院に来ていただいて、それから病院を紹介するようにしております。しかし、受診者さんによっては、そのまま自宅から近い医療施設などの医療施設にかかられる方もいらっしゃると思います。しかし、どこの病院を受診してよいかわからないというような方にはしっかりとご紹介をさせていただくのでまかせていただければと思います。
予防医療の重要性について、先生のお考えを詳しく教えてください。
現在、発症する病気というのは、生活環境と体質に関係しているといわれています。そのため、例えば、元々糖尿病で高血圧になりやすい体質のである上に食生活も悪く運動もしないとなると、より病気になりやすくなってしまうと思います。やはり、脳卒中でもまひしてからでは遅いので、脳卒中にならないように対応する、つまり何事にも早期に対処することが大切だと思っています。
受診者と接するうえで特に気を付けていることが何かあれば教えてください。
受診者にいろいろと気軽にお話をしていただけるように、問診中はお仕事のことや普段の生活などをお聞きするなどして、少し緊張などを和らげてから診察を行うようにしております。また、お話の中でかなりストレスのたまるような生活をされていらっしゃるようでしたら、ストレスによる病気がないかどうかなど詳しく検査をするようにおススメしたりもします。