神奈川県済生会 神奈川県病院予防医療センターの写真・動画・インタビュー
神奈川県済生会 神奈川県病院予防医療センターインタビュー
病院併設というメリットを生かし、病気の早期発見から治療までをスピーディーに行うことで地域住民の健康を守ります
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【Dr.インタビュー】センター長:土居 正和 先生
1.5テスラのMRIやCTなどの医療機器などを使用し、身体的負担をできるだけ軽減した検査を行い、重篤な疾病の危険因子や兆候などを早期に発見することで、地域住民の健康維持のお手伝いをしております。また、病院併設であることから、検査で異常が発見された場合でもほかの医療施設に紹介する必要がないため、受診者も不安な時間を過ごすことなくスムーズに病院施設で精密検査や治療を開始していただくことが可能となっております。
検診業務に携わる医師として、普段から心がけていることがあれば詳しく教えてください。
受診者一人ひとりの身体の状態をできるだけ正しい診断ができるように、それを丁寧に分かりやすく受診者の皆さんへお伝えするということを心がけています。そして、万が一、検査で何か異常が発見された場合にも、不安をあおるようなことなく、不必要な心配をかけることのないように今後どうしたらよいのかといったことも含めて分かりやすく受診者の方へご案内できるようにし、治療をできるだけ早期に開始していただけるようにしています。
院内設備に関してこだわったポイントやおすすめできる点についてお話をお聞かせください。
当院の建物は、2016年に新しくしたため、明るくとても清潔感があります。昔の建物と比較して新しい施設では、受診者の待合スペースやそのほか、1つ1つの部屋の広さを十分に確保することができており、とても落ち着いた雰囲気に仕上がったと思います。まだまだ足りない部分もあり、これから改良できるところは改良していきますが、今まで以上に広いスペースの中で、今まで以上のことが提供できているのではないかと思っています。
済生会神奈川県病院で、特にこだわって導入された医療機器に関して詳しく教えてください。
当院では、MRIは1.5テスラのものを導入しており、脳ドックにおいてくも膜下出血や脳出血、脳梗塞などの脳の重篤な疾病の兆候を早期に発見できております。また、CTは80列のものを導入しており、がんや心臓に関する疾病の早期発見につなげることができています。特に、肺がん検診は低被ばくで検査を受けていただくことができるだけでなく、これまでより検査時間も短縮され、検査に際して、受診者の身体への負担も軽減されています。
済生会神奈川県病院の強みだと思われる点について詳しく教えてください。
病院併設の検診施設になりますので、午前中に行われた検診で異常値が出た受診者や、すぐにでも病院にかかってもらいたいと判断した受診者がいた場合、当日中に併設されている病院で診療をすることが可能であるという点が当院の強みだと思います。また、近隣施設の医師の方とも一緒に地域住民の健康を診ていく活動を以前から行っておりますので、地域の方々にも頼られる地域に根差した医療施設になってきていると思っています。
予防医療の重要性について、先生のお考えを詳しくお聞かせください。
私は、以前、乳腺を診ていたのですが、何でここまで放置していたのかといった方も非常に多く拝見してきました。がんにしてもほかの病気にしても、病気が進んでから治療を開始しても治療成績も良くないため、病気をいかに早い段階で診断をつけて治療を開始することが重要になります。どうしたらがんにならないか?は今の段階では禁煙すること以外分かっていませんが、これからは予防医療がとても大切な時代になってくると思います。
先生が今後、注意すべき疾患や注目している疾患があれば教えてください。
乳がんに関しては、発症してしまうと亡くなってしまう方が多いのが現状です。しかし、欧米では乳がんの重症化が減少傾向にあり、この要因として検診率・受診率が上昇してきたからだと言われています。また、すいぞうがんや胆のうがんなどに関しては、症状が出てからではもうすでに手遅れということが非常に多いため、やはり、疾患を検診で早期発見すること、そしてできるだけ早期に治療を開始することが大事だと思います。
予防医療の重要性を伝えるために何か取り組まれていることはありますか?
検診を受けた方の要精密検査・要治療に関してはすぐに対応しておりますが、経過観察の方にはその後どうなったかといった後追いが大事です。定期的に検診を受けていただける方は良いのですが、1回きりになってしまう方に対してのフォローも当院では行っております。また、要精密検査の方がほかの施設で検査を受けた場合はお返事がいただけますが、返事が来ない場合が多いのでそうした方にも何とか受診していただくことが課題です。
今後、済生会神奈川県病院ではどのような検診を提供していきたいとお考えですか?
今後は、需要の高い婦人科検診に力を入れていきたいと思っております。残念ながら、当院では婦人科が設置されておりません。そのため、受診者の皆さんが婦人科検診をご希望されたとしても、近隣の婦人科クリニックで検査を受けていただくことになります。これからは、それを何とか院内で行えるようにしたいと考え、設備や体制を整えていく予定をしています。よりいっそう充実した検診サービスを提供できる医療施設にしていきたいです。
現在提供されている検診コースで、特におすすめのコースなどがありましたら教えてください。
なるべく受診者の皆さんがそれぞれの年代や体調、環境などに合ったコースを選んでいただきたいと思っておりますが、たとえば、身内にがんを患った方がいらっしゃったり、脳卒中を患った方がいらっしゃった場合には、そのような病気にかかる可能性は高くなるため、それぞれの疾病を早期に発見できるコースを用意しております。そのため、一言ご相談いただければ、受診者の皆さんに合った検査を提供させていただきます。