静岡済生会総合病院の写真・動画・インタビュー
静岡済生会総合病院インタビュー
受診者に寄り添った医療を提供するために、丁寧な診療をし、対等な目線に立つことで距離を縮めることを日々目指しております
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【Dr.インタビュー】医師:菅田 芳文 先生
長年受け継がれている当院の「生(いのち)を済(すく)う」という創立の精神かつ理念の下に、1人の医師としてレベルの向上を図るために日々技術を磨いています。同時に、病気の早期発見・早期治療には健診が重要だと受診者に伝えることで、健診の受診率向上を目指しています。また、受診者の心に寄り添った医療を提供するために、診療時は受診者と対等な目線に立って診療をすることで受診者の気持ちを酌みとり、理解をすることに努めています。
先生が医師を目指されたきっかけについて詳しくお聞かせください。
非常に大昔のことになりますが、私が学生時代に母が病気になったのが最初のきっかけだと思います。最終的に母は他界してしまい、助けてあげられなかったことが非常に悲しく無念だったことを覚えています。もう一つの理由は少々ありふれてしまうのですが、親戚に医師がいたため、幼いころから影響を受けており、そのことが医学部を目指すきっかけになりました。
医師として日々心がけていることなどについて詳しくお聞かせ願います。
医師として自分自身の技量をしっかりと磨いて、診療をするということは常日頃から第一に考えており、とても大切なことだと思っています。また医師として、病気の有無だけを把握できれば良いというわけではなく、不安を抱える、受診者の心のケアも必要です。診療と同時に、受診者の気持ちを酌みとりながら接していきたいということを考えながら診療をしております。そのためには、受診者と同じ目線に立つことが大事だと思っています。
院内の設備に関してこだわっている部分があれば詳しくお聞かせください。
病院にはもちろん体調の悪い方が来院されますが、健康な方も健診などで来院されるなど、さまざまな方が訪れる場所です。そのため、どんな方にでも心地よく過ごしていただけるように、院内の清潔さや居心地の良さを追求しました。特に、当院は最近改装しましたが、来院される受診者の過ごしやすさを考えて、ゆったりとリラックスできるソファを設置するなど、ハード面の設備をより良くするための投資を行いました。
静岡済生会総合病院で掲げられていらっしゃる理念について詳しくお聞かせください。
済生会そのものが、明治天皇の精神で作られた病院施設でして、保険制度がない頃から貧しくて医療を受けられない人に医療を施すということで、命を救うという意味の「済生」という名前が付いたわけです。当グループは全国に100近い施設がありますが、全てが共通の理念の下、一人ひとりが創立の精神を忘れずに診療を行うことが脈々と受け継がれていると思っております。
先生が、医師になられてよかったと思うことを詳しく教えてください。
それは受診者の難しい病気が良くなり、感謝されることでしょうか。これはやはり、医者の冥利(みょうり)に尽きる第1のことだと思います。最近、ある弁膜症が非常に増えているのですが、よく受診者の方から近頃は医師がコンピューターばかり見て受診者の顔をあまり見ないというお話を聞きます。私は、いつも聴診器を当てて心臓の雑音を聞くことを行っており、とてもリラックスして診療を受けることができると言っていただいたときもうれしかったです。
健診後に重大な疾病が早期発見につながった受診者は弁膜症以外にほかにもいらっしゃいましたか?
血液検査というものは健診で行いますが、日頃自分が健康だと思われていらっしゃる方に血液検査で異常が見つかることもあります。今、非常に多い病気の一つが糖尿病ですが、ほかにはB型肝炎やC型肝炎などが意外と健診で見つかる事があります。胸部のエックス線写真では思わぬ肺がんが早期で見つかったり、胃の内視鏡で早期胃がんが見つかったりなど多々あります。このように病気が発見されることが定期的に健診を受けるメリットです。
予防医療の重要性に関して、先生の考えを詳しくお聞かせください。
自覚症状が無いために、定期健診を受けなければ分からない、見つからないという病気はたくさんあります。しかし、定期健診に毎年来院される方もいらっしゃれば、「来年は受けなくてもいいかな」「今年は受けなかった」などと言って健診にいらっしゃらない方も多くいます。1年受けなかっただけでも早期のがんが見逃されてしまい進行するという事もあるため、毎年受けることが大事です。
実際に重要性を伝えていくために取り組まれていることとして、具体的にアクションを起こしているなどありますか?
人間ドックに関しては、受診された方が来年の予約を入れてお帰りになるということが非常に多いです。それは非常に良いことだと、当院でも受診者の方にはおすすめしております。あとは、企業で健診を受けるように言われて来院される方に関しては、本人の意思で来られている方は非常に少ないため、企業から言われたから健診を受けるのではなく、ぜひ自分の意思で受診してほしいとお話をさせていただいております。
健診にかける先生の思いを詳しくお聞かせいただければと思います。
これは私が日頃から思っていることなのですが、健診の受けっぱなしというのが意外と多いのです。二次健診を受けるようにと言われた方も次の年に来院された際は忘れていたりなど、これは非常に医師として悲しいことです。健診は受けっぱなしではなく、指摘されたことはしっかりとフォローをしたり治療を開始したり、精密検査が必要であれば検査を受けたりなどしていただきたいと切に思います。