がん検診
「お腹の張り」が不安な人へ|膨満感の裏にあるかもしれない2つの疾患
便秘ではないにも関わらずお腹が張る、空腹のはずなのお腹が圧迫されているように感じることはないでしょうか。そういった「膨満感」の原因はいろいろ考えられますが、もしかしたら大腸がんという恐れもゼロではありません。
まずは日頃気になっているお腹の張りについて、考えられる原因を知り、疑わしき疾患を見つけていきましょう。
- 目次
膨満感とは?日常から考えられる原因と対策
お腹が張っている状態、圧迫されているように感じることを「膨満感」と言います。日常生活を見直すと思い当たる点があるかもしれません。
日常生活で気を付けるべきこと
- 暴飲暴食が原因で、胃が膨れ上がることがあります。消化の良いものを選び、規則正しい時間に腹八分目の食事をゆっくりと摂るようにしましょう。
- 便秘が原因で腸内にガスが溜まり、腸が膨張します。排便を我慢せず、適度な運動と水分補給、食物繊維の摂取を積極的に心がけましょう。
もしかしたら私も?「お腹の張り」を伴う2つの疾患
食べ過ぎ・飲みすぎでもないのにお腹が張っているように感じる人はいないでしょうか。それはもしかすると、これらの疾患が潜んでいるというシグナルかもしれません。
過敏性腸症候群
ストレスや情緒不安定などが原因で、腸のぜん動運動に異常が起こり、腹痛をともなう下痢や便秘が長期間続きます。お腹の症状以外に、めまいや頭痛、吐き気、肩こりなどの全身症状をともなう場合もあります。
【セルフチェック】
3つ以上該当の場合は要注意
- □ 下痢と便秘が続いている
- □ 腹痛や不快感を3日以上繰り返す
- □ 排便によって腹痛がやわらぐ
- □ 排便後に残便感がある
大腸がん
運動不足や飲酒・喫煙、野菜の摂取不足などの生活習慣が原因の一つと考えられています。自覚症状が少ない疾患ですが、下痢と便秘を繰り返したり、症状が進行した場合には血便がでることもあります。
また、血縁者に大腸がんの人がいる場合も要注意です。
【セルフチェック】
3つ以上該当の場合は要注意
- □ たばこを吸う
- □ 40歳以上で、大腸がん検診を定期的に受けていない
- □ 運動不足である
- □ 魚より肉をよく食べる(ハムなどの加工品を含む)
早期発見のチャンスを逃さないで!まずは検診を受けましょう
過敏性腸症候群はストレス起因も大きいため、まずは休息やストレスを減らす環境づくりが大切です。しかし、もしも「大腸がん」だったらという不安がある方には、大腸がん検診の受診をおすすめします。
大腸がんは進行が早いがんではなく、早期発見により適切な治療へと進めば90%以上の確率で治ると言われています。とくに、「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」(2005年)では、「便潜血検査化学法」は「対象とする集団の大腸がんによる死亡率を減少させる」という大腸がん検診の目的に合致すると科学的に証明され、推奨しています。
厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年)」では、40歳以上を対象者に年に1回の大腸がん検診を定めています。40歳以上の方には自治体の検診や職域検診があります。また、タイミングを選ばず自分のペースで受けられ、気になる疾患箇所を一度で全てチェックしてもらえる自費でのがん検診も選択肢の一つです。
大腸がん検診の流れ
大腸がん検診では便潜血検査を行います。陽性と判定された場合、より詳しく調べる精密検査(内視鏡検査)を行います。陰性と判定された場合は精密検査は行わず、40歳以上の場合は年に1回定期的に受診します。
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まとめ|お腹の張りが不安なら疾患リスクをチェック
疾患リスクを避けるためには、ストレスからの解放や日常生活の見直しが第一です。しかしさまざまな要因が引き金となり、大腸がんのような大きな疾患につながってしまう恐れにも注意が必要です。まずは定期的に検診を受けることを意識しましょう。