脳ドック
脳ドックで認知症はわかるのか?|リスクを調べる7つの検査について
認知症は誰もがかかる恐れがある疾患です。最近はドラマや情報番組などで取り上げられ、常に注目を集める話題の一つになっています。そんな認知症の予防策として、脳ドックが有効なのか、疑問に持つ人もいるのではないでしょうか?
脳ドックの目的は、自覚症状のない脳の疾患を早期に発見し、予防することです。認知症の発見を対象とする検査項目もあります。
この記事では認知症と、そのリスクを調べるための検査として「脳ドック」について紹介します。
- 目次
認知症は大きく分けて3種類ある
「認知症」は疾患の名称ではなく、脳の働きが低下することによって引き起こされる症状や状態の総称です。物忘れや判断力・理解力の低下により、日常生活のさまざまな場面で支障をきたし、これまで通りの生活を送ることが困難になります。
認知症の原因となる主な病気には、大きく分けて次の3つがあります。
アルツハイマー型認知症
記憶障害や判断力の低下などの症状が現れます。「アルツハイマー型認知症」は認知症の原因となる病気の中で最も頻度が高く、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まることによって神経細胞が損傷し、脳全体が委縮することが原因と考えられています。
レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれる特殊なたんぱく質が、脳の大脳皮質や脳幹部に現れ神経細胞が障害されて壊生じる認知症です。男性に発症する率が女性よりやや高く、初期に幻視(実際には見えないものが見えるように感じる症状)やパーキンソン病の症状や、うつなどの精神的な症状が現れます。
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血など、脳の血管に何らかの障害が発生することにより引き起こされる認知症です。他の認知症と同じような症状とともに、感情のコントロールが難しくなる症状(感情失禁)が現れ、うつに似た状態も起こります。男性の割合が高いといわれています。
若年性認知症について
認知症は高齢者が発症しやすいのですが、若い人にも発症することがあります。それが、65歳未満の人が発症する「若年性認知症」です。
厚生労働省のの2006-9年の調査によると、全国における若年性認知症の数は3.78万人で男性の方が女性より発症者が多く、発症した推定年齢は平均51.3歳とされています。若い年齢であることから、発症者本人や周囲の人は「単に体調が悪いだけ」と認知症を疑わないケースが多いようです。
いわゆる“働き盛り”といわれる若い世代だけに、発症すると、社会的影響や経済的な負担が大きくなります。さらに、仕事を退職せざるを得ない状況による経済的な困窮、介護に取り組む必要がある家族の精神的な負担など、大きな壁が立ちはだかります。
脳ドックで認知症リスクは発見できるのか?
認知症のリスクを調べるための検査で一般的なのは、MRI検査やMRA検査による画像診断を検査項目として設定している脳ドックです(医療機関によって異なります)。しかしMRI検査やMRA検査のみでは、認知症リスクの評価としては十分ではなく、それに加えて脳の働きを調べることが大切です。
AI(人工知能)で認知症リスクがわかる時代へ
アルツハイマー型認知症の初期段階では、記憶を司る「海馬」の萎縮が見られます。近年ではMRI画像とAIを活用して海馬の体積を測定し、認知症の発症時期を推測できる検査も登場しています。
発症の10年以上前から脳の萎縮が始まるともいわれています。研究が重ねられている分野であり、こうした健康寿命の延伸をサポートしてくれる検査は、今後ますます注目されていくことでしょう。
【東京都港区】東京脳神経センター
◆AI認知症予防検査付◆シンプル脳ドック(頭部MRI、頭部MRA) +BrainSuite®【診察なし】
【東京都江東区】あそか病院
【AI認知症予防検査付き】脳ドック(頭部MRI/MRA撮影のみ)+BrainSuite®(ブレインスイート)
【名古屋市北区】大隈病院
★認知症予防検診ブレインスイート含む【当日の結果説明】脳ドックBコース
【大阪市北区】梅田東画像診断クリニック【認知症リスク検査付き】AI(人工知能)による認知症リスク検査+脳ドック(頭部MRI/MRA)
【大阪市旭区】牧病院【認知症予防】脳ドック(頭部MRA/MRA)+AI認知症予防検査(BrainSuite®)
【東大阪市】そばじまクリニック【AI認知症予防検査付き】脳ドック(頭部MRI/MRA)
【枚方市】くずは画像診断クリニック
◆NEW◆【認知症リスク検査付き】脳ドック(頭部MRI/MRA+頸部MRA)+BrainSuite®
【神戸市】こはや脳神経外科クリニック
◆AI認知症予防検査付◆シンプル脳ドック+AI認知症予防検査(BrainSuite®)
【芦屋市】芦屋クリニックのぞみ
脳医学×AI (人工知能) による30代からお勧め次世代脳ドック 頭部MRI/MRA+BrainSuite®
【清瀬市】武蔵野総合クリニック 清瀬本院
脳ドック(頭部MRI/MRA検査)+認知症予防検査BrainSuite®
脳ドック以外で認知症リスクを調べる検査
頭部CT(コンピューター断層撮影)検査
脳内部を画像化し、脳の形を見るX線検査で、脳萎縮の程度を調べます。脳全体と、記憶を司る側頭葉内の海馬の萎縮が確認されると、アルツハイマー型認知症の疑いがあります。
頭部MRI/MRA検査
磁気を利用して頭部MRIは脳の萎縮の状態や脳血管障害の有無を調べます。頭部MRA検査は脳の血管を撮影します。主に脳血管疾患の発見に役立ち、小さい脳梗塞が多くなると脳血管性認知症が現れます。
VSRAD(早期アルツハイマー型認知症診断支援ソフト)
MRI画像を使い、海馬の萎縮を調べる検査です。あくまで脳の萎縮の程度を見る検査であり、アルツハイマー型認知症の診断を行う検査ではありませんが、診断の一助となります。
HDS-R(簡易認知機能評価スケール)
認知症の診断に用いられる認知機能テストの一つです。質問は9項目からなり、30点満点中20点以下の場合は認知症の疑いが高まるとされています。
MMSE(簡易認知機能評価スケール)
精神状態短時間検査という認知機能テストの一つです。10~15分程度の短い時間で認知機能の障害があるかどうかを調べます。30点満点中23点以下の場合は認知症の疑いがあり、27点以下だと軽度認知障害の疑いがあるとされています。
ADAS-J(アルツハイマー病の検査に役立つ認知機能検査)
MMSE よりも記憶と構成能力に関しての項目に重点が置かれた、認知機能テストです。スクリーニング検査としてだけではなく、アルツハイマー病の経過を見るためにも利用されます。
MCIスクリーニング検査
認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の早期発見を目的とした、血液検査です。この検査では、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβペプチドに関係するたんぱく質を調べ、軽度認知障害のリスクを推定します。
まとめ:認知症社会に備えるために「脳ドック」を活用しましょう
厚生労働省によると、認知症患者は2025年には65歳以上の5人に1人(約700万人)、2012年の約1.5倍にも増加し、「認知症社会」になることが予測されています。
現在、認知症の根本的治療薬はありませが、進行を遅らせる薬や一時的に意欲や気分を高める薬による対処療法があります。
認知症は、発症してからではなく、 発症前の予防が一番のカギです。認知症を予防するための策として、まずは脳ドックの受診で現在の脳の状態を知り、数年以内に待ち受ける「認知症社会」へ備えてください。