脳ドック
MRI検査で何がわかる? CT検査との違いや発見できる疾患
主に脳の病気を調べる際に名前を聞くことが多い「MRI」は、磁気と電波を用いた検査装置です。日常ではあまり受診することがない検査なので、どのような装置なのかを知らない人は多いかと思います。近年では人間ドック・健診でも使用する機会があったり、導入する医療機関も増えています。
今回は、MRIでわかる疾患と検査内容、見た目がよく似ているCT検査との違いについて解説します。
- 目次
MRIで細胞組織の動きを把握|CT検査との違いは?
MRIとは磁気共鳴画像撮影法のことで、正式には「Magnetic(磁気) Resonance (共鳴)Imaging(画像)」といいます。
大きなトンネル型の装置に強力な磁場を発生させて、ある周波数の電波を照射すると、体の中の水素原子が移動します。一定時間経ってから照射を止めると、体内の水や脂肪など、電波によって移動していた組織が元の位置に戻ろうとします。この時の、細胞組織の動きを画像として取得し、その画像から脳梗塞などの異常を発見するのがMRI検査です。
撮影する体の部位にもよりますが、検査には約30~40分ほどは時間がかかります。また、検査にかかる費用は、自費診療の場合で約25,000円前後、保険が適用されると約8,000円ほどです。
CT検査との違い
MRI検査は、CT検査と装置の見た目がよく似ていて違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。
CT検査は、X線を用いて体の断層写真を撮影する検査方法です。正式には「Computed(コンピューター利用)Tomography(断層撮影)と言います。
その仕組みは、X線を高速回転させながら放射するトンネル型の装置を使って、体がX線を吸収する際の動きを画像として取得するものです。MRIもCTも筒状の検査装置を用いるため、よく似た検査のように思われていますが、磁気と電波を利用するMRI検査と、X線を用いるCT検査とでは仕組みが異なるだけでなく、検査にかかる時間や費用、そして発見される疾患も異なります。
MRIでわかること|発見しやすい疾患と受診できないケース
MRI検査では全身の幅広い部位を調べることができます。特に頭部や脊椎、四肢などの関節といった比較的動きが少ない部位の検査を得意としています。
MRI検査で発見できる主な疾患 MRIでは、主に脳を含む頭部、脊髄・脊椎・四肢の骨・関節、腹腔内臓器(肝・胆・膵)そして骨盤内臓器(子宮・卵巣・前立腺)の検査が行われます。頭部MRI検査なら脳卒中リスクを中心とした脳血管疾患、子宮・卵巣のMRI検査であれば子宮がん・卵巣がんと、発見される疾患は体の部位によって異なります。
【MRIが得意とする検査部位と発見される疾患】
体の部位(検査部位) | 発見される主な疾患 |
---|---|
脳・頭部 | 脳血管疾患(脳卒中、脳腫瘍等)、脳奇形、外傷、変形型疾患 など |
脊椎・脊髄 | 頚・胸・腰部の脊椎・脊髄疾患(椎間板ヘルニア、頚椎症、脊柱管狭窄症、脊椎腫瘍 など) |
四肢 | 骨肉腫、転移性骨腫瘍、腱板断裂(肩)、大腿骨頭壊死、前十字靭帯断裂、骨挫傷(膝) など |
肝臓・胆嚢・胆道・膵臓 | 肝臓がん、胆嚢がん、胆道がん、膵臓がん など |
子宮・卵巣 | 子宮がん、卵巣がん など |
前立腺 | 前立腺癌がん など |
受診することができないケース
MRI検査はCT検査と違って被ばくの恐れや造影剤を服用する必要がないため、比較的体に負担の少ない検査であると言われますが、人によっては受診することができないケースもあります。また、磁気を利用する検査なので、コンタクレンズの着用やメイクをしたままの受診もできません。検査を受ける前には必ず受診条件を確認するようにしましょう。
<受診できないケース>
- 心臓ペースメーカーを埋め込んでいる人
- 人工内耳、人口中耳を装着している人
- 金属製あるいは可動型の義眼を装着している人
- 神経刺激装置を装着している人
<受診時に相談が必要なケース>
- 金属製心臓人工弁など体内に金属が入っている人(脳動脈瘤手術の金属クリップなども含む)
- 検査の8週間以内に血管ステント手術を受けた人
- 妊娠中の人、妊娠の可能性がある人
- 刺青のある人(アートメイクを含む)
- 閉所恐怖症の人
認知症リスクがAI(人工知能)でわかる!?
アルツハイマー型認知症の初期段階では、記憶を司る「海馬」の萎縮が見られますが、実際には発症の10年以上前から脳の萎縮が始まるといわれています。近年ではMRI画像とAIを活用して海馬の体積を測定し、認知症の発症時期を推測できる検査が登場しています。
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MRI検査の精度|画像の鮮明さと得られる情報量の豊富さに注目
一般的に、MRI検査はCT検査と比較して撮影画像が鮮明だと言われています。
MRI装置は、人体の約70%を構成している水分(水素原子)を元にして画像を取得する仕みとなっています。そのため、得られる情報量が膨大であること、また画像を何層にも重ねて撮影する仕様のため取得画像がより詳細になり、結果的に精度の高い診断を行うことができます。ほかにもX線撮影やCT検査と違って、MRIは撮影時に骨と空気の影響を受けにくいため、画像の精度がおのずと高くなるのです。
情報量が多く撮影に時間がかかるため、どうしても検査時間は長くなりますが、30〜40分ほど横になっているだけで検査ができるので、体に負担が少ない検査方法として注目されています。
しかし、MRI検査で全ての疾患が発見されるわけではなく、画像診断では判別が難しい症例も存在します。確実な診断を行うためには、MRIだけでなく複数の検査を組み合わせて多角的な診断を行うことが重要です。
MRI検査を受けたいときは?
MRI検査を受けたい時には、どの部位の検査を受けたいのか、MRI装置を導入している医療機関なのか、MRI検査を行っている検査コースが設定されているかなどを調べることから始めましょう。
まずは、体のどの部位を検査したいのかによって、受診する医療機関が異なります。脳のMRIなら脳ドックを実施している医療機関、あるいは脳神経外科が専門のクリニックでの対応が一般的です。
もし、子宮がんや卵巣がんをMRIで調べたい場合であれば、産婦人科やレディースクリニックなど、女性特有の疾患を取り扱っている医療機関へ行かなければなりません。総合病院や健診センターなどの人間ドックでは、各部位のMRI検査を検査項目に組み込んでいる所もあります。
同じMRI検査であっても、検査部位・医療機関・検査内容によって様々な受診の仕方があるので、ウェブサイトで医療機関や検査コースなどの比較をおすすめします。
まとめ|脳以外の部位でも広く活用されている高精度の画像検査
MRIは検査時間が比較的長く、閉所恐怖症の人には受けるのが難しいなど個人差がありますが、精度の高い撮影画像を用いて、脳卒中リスクや各部位の腫瘍の有無を的確に診断できる検査方法です。また、体への負担が少ないという利点もあり、近年では認知症検査などにも積極的に使用されるなど、医療機関が適用する疾患の幅も広がっています。
ただし、日常的に何度も受ける検査ではありませんので、初めてMRI検査を受ける人は受診前に不安や疑問を解消しておく方がリラックスして検査に臨めるでしょう。わからないことは受診する医療機関へ問い合わせておくと当日も安心です。
▼当記事の監修医院が担当
約1時間で行う脳ドック(MRI)検診[静岡・三島総合病院]