総合病院 岡山協立病院の写真・動画・インタビュー
総合病院 岡山協立病院インタビュー
検診の結果をふまえて、お一人おひとりのライフスタイルや考えに合わせて、生活習慣などのアドバイスを丁寧に行います
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【Dr.インタビュー】院長:髙橋 淳 先生
検診で撮影するレントゲンやコンピューター断層撮影(CT)の画像診断は、医師2人がしっかりと丁寧に確認をさせていただくダブルチェック体制を整えておりますので、見逃しの少ない検診結果を受診者の皆さんにお届けすることができております。また、検診や人間ドックは悪いところを探すためだけではなく、検診や人間ドックで得た情報をうまく生かしていただくことで、受診者の皆さんには、より一層健康かつ元気に長生きしていただければと思っております。
岡山共立病院で掲げられている理念について、詳しくお話をお聞かせください。
当院は、医療生活協同組合コープの医療施設になります。そのため、組合員の皆さんが出資をしてわれわれの事業体を支えてくれています。この点が他の医療機関や健診センターとの大きな違いです。また、病気で病院にかかるのではなく、日頃から健康に過ごしている方がより健康になりたいという思いから設立された医療施設であるため、地域の皆さんがより健康になれるように健診活動に積極的に取り組んでおります。
5つのグループ病院がありますが、中核医療機関で人間ドックを提供していく中での工夫を教えてください。
当院は、岡山共立病院が法人のセンター病院になっているため、例えばMRIやCTの検査、産婦人科の子宮がん検診なども当院で受けていただくことが可能です。ただ、全ての事業所で電子カルテや撮影した画像などを共有することができるシステムを構築しておりますので、当院以外でも可能な検査に関してはご自宅から近い事業所で受けていただけます。
来院される受診者の地域性や疾患傾向などがありましたら教えてください。
当院の受診者は、大体40代、50代、60代の方がほぼ20%ずつ、それから70代の方も17~18%になります。幅広い年齢層の方に来ていただいていると思っていますが、近隣の方だけではなく、比較的遠方からも来院される方が多いため地域の大きな特徴というのはそれほどないかと思います。ただ、先ほども申し上げましたように当院は協同組合コープの医療施設であるため、組合員の方の健康作りにお役に立てるように検査項目を提供しています。
人間ドックの受診を推奨される方の年齢や生活環境などがあれば詳しく教えてください。
まず何と言っても中高年、特に初老期である60代から70代の方にはできるだけ受けていただきたいと思います。また、女性であれば骨密度の検診であるとか乳がん検診を中心に受けていただくことをおススメします。そして、まだまだ30代や40代の方でもピロリ菌を持っていらっしゃる方がいますので、若い方でも将来胃がんにならないためにもピロリ菌の検査も行っていただければと思っております。
スタンダードな日帰り人間ドックについての特徴を教えてください。
スタンダードのコースは、身体全体について、特に頻度の高い疾患を見つけるために行う全身のスクリーニングになっておりますので、血液検査、胃の検査、胸のエックス線検査、心電図などを含んだ一般的な検査を行っております。このスタンダードなコースについては、一般的な検査になるため特に他の事業所と大きな違いはないかと思います。
心電図検査の主な目的は心筋梗塞や不整脈などのリスクの早期発見になるのでしょうか?
心筋梗塞や狭心症は、症状がない状態で心電図をとってもその発症を予測するのはなかなか難しいと思います。私たちが心電図で知りたいのは、例えば高血圧の影響が心臓に出ているとか、心房細動という不整脈があるかどうかということです。心房細動は超高齢社会の現代において増加しているにも関わらず、ほとんど自覚症状のない方もいらっしゃいます。なので、脳梗塞の大きな原因となる心房細動という不整脈を見つける事は重要です。
眼底検査は、具体的にどのようなことをチェックする検査になるのでしょうか?
眼底検査は動脈硬化の程度をチェックすることができます。それから、もちろん眼圧をはかっておりますので、特に無症状で進行する緑内障という目の中の圧力が高くなる病気を見つけることができます。これは、場合によっては失明につながることもありますのでそういう疾患をスクリーニングという意味合いもあるかと思います。
胃のレントゲンや胃カメラのそれぞれの目的はどんなリスクを調べるためのものですか?
だいぶ少なくなってきたとはいえ、日本人には胃がんを発症する方がたくさんいらっしゃいます。そのため、胃がんのチェックを行うことが重要だと思いますし、それから食道の疾患を見つけることも大切になります。食生活の欧米化であったり、喫煙であったり、あるいは飲酒の影響で食道がんを発症するというのも大きな問題となっています。特に食道がんの場合には早期発見がすごく重要なためそういう点でも検査をおススメしています。
胃の検査では、レントゲンかカメラの検査を受診者が選ぶことができますか?
受診者に選んでいただくことが可能です。時代のトレンドとしては、やはり内視鏡検査の重要性が増してきており、特に先ほど申し上げましたように早期の食道がんや胃がん、あるいはピロリ菌の影響で胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎という状態をみるには内視鏡に優位性がございます。ただ、内視鏡で全てをカバーすることはできないため、レントゲンと内視鏡を組み合わせたり年によって変えたりしています。
内視鏡検査では、経口内視鏡と経鼻内視鏡のどちらを選ばれる方が多いですか?
検査の際の苦痛やしんどさで言うと経鼻の方が経口よりラクだとおっしゃる方が多いため、積極的に経鼻内視鏡を導入しております。それから、経鼻内視鏡だと鼻が痛くて嫌だとおっしゃる方には、ちょっと眠るおクスリを注射して、経口内視鏡を使用して検査を行うという方法もありますので、どうしても検査が苦手という方にはご相談いただければと思います。
レディースドックでは30コースと40コースの2つがありますが、違いは何ですか?
基本的には、どちらも乳がんと子宮がん検診を行うコースになります。しかし、40代をこえた受診者の方たちの中には、血液検査の項目や糖尿病などを心配される方も多くいらっしゃるため、40コースでは乳がん検診と子宮がん検診と共に他の病気に関する心配も解消していただけるように30コースより少し項目を増やしたコースになっております。
レディースドックは、受診者が希望すれば女性医師や女性スタッフの対応が可能ですか?
基本的には、受診者の方のご要望に合わせられるように、レディースドックには女性医師や女性スタッフを配置しております。このように受診者の皆さんに少しでも快適にリラックスした状態で検診を受けていただけるように配慮しておりますので、何かご心配なことや質問などがあればお気軽にスタッフに声を掛けていただければと思っております。