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横浜旭中央総合病院インタビュー
健康や幸福はお金では買うことはできませんが、定期的に検診を受けていただくことで健康を守り、幸福を感じることは可能です
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【Dr.インタビュー】院長:山中 太郎 先生
今、自覚症状がないからと言ってご自身の健康を決して過信せず、定期的に検診を受けつつ日頃から自身の身体に起きる小さな自覚症状を見逃さないことが健康を維持し、楽しく毎日を過ごすポイントです。当院では、1人でも多くの方に人間ドック・検診を受けていただき、病気の早期発見・早期治療をしていただけるように、一部の日曜日・祝日にも検査の受け入れをしており、平日お仕事などでお忙しい受診者の利便性向上を図っております。
先生が医師を目指されたきっかけについてお話をお聞かせください。
私が医師を目指したきっかけは、高校生の頃にどうして人は異性や友達のことで苦しんだり悩んだりするのかと疑問に思ったことでした。脳の中でその苦しみや悲しみなどがどのようにして起こるのかが不思議で、本を読みあさったのですが16、17歳の頃なので、難しくて理解ができず、医学部に進んで脳科学を勉強すれば答えが出るのではないかと思って実際に医学部を目指しました。
医学部に進まれて、さまざまなことを学ばれたと思いますが、高校生の頃の疑問は解決したのでしょうか?
医学部で精神医学を学んだのですが、残念ながら病気を分類する分類学と薬理学しか学ぶことができませんでした。当時の私はそれがとても不満で、痛みというものさえ点数化できないのであれば、感情など数値化するのは不可能であると思いました。医学部を目指した理由である脳科学という道を見失ってしまったときに出会ったのがウイルス学であり、1番取り扱われていたウイルス性肝炎に関心を持ち、医師としての一歩を踏み出しました。
医師として心がけていることがあれば詳しくお話を教えてください。
医療施設というものは、そもそも人の苦しみ、悲しみ、痛みの巣窟です。その意味では、それを扱う医療従事者は傲慢(ごうまん)になってはいけません。病気が見つかるも、治るもある種の運と縁のようなものであり、私たちは受診者の病気を治すための手助けをするにすぎません。医療従事者にとって大切なのはハートであり、良心であるため、技術や設備は最低限のものをそろえ、最終的には受診者を治したいという良心から生まれる物だと考えます。
受診者の方と接するうえで気を付けていることがあればお聞かせください。
正直に申し上げて、来院される受診者の方が何を求めているのかが分からないときもあります。それは、受診者は知識や技術だけを求めている方もいらっしゃれば、設備を求める方、看護師や医師の人間性を求める方などさまざまな受診者がいらっしゃるからです。そのため、受診者が一体何を求めていらしているのかということを、できるだけ慎重に見極め、受診者に寄り添うことで少しでも要望に応えることができればと思っています。
院内設備へのこだわりを詳しく教えてください。
医療施設は社会のインフラだと思っています。日本の国民が稼ぎ出す国民総生産のどれだけが医療に使われるか、国民が許したお金の中でわれわれがどれだけ誠実な医療サービスを提供できるかということを常に考えています。病院は社会のインフラである以上、ニーズに応えなければいけないため、最小限の医療設備や機器をそろえ、当たり前のことを当たり前に行い、足りないもの、足りていない物が何かを常に気にしつつ投資をしています。
職員の方に対しての接遇に関する研修や勉強会などでは、どのようなところに力を入れていらっしゃいますか?
医療施設では人が全てだと思っています。そのため各セクションで優秀な人材を育て、教育できる施設でなければ今後は生き残れないと考えています。当院では、職員だけではなく医学生や看護学生、薬学生など全ての学生を受け入れて教育のできる施設だと自負していますので、学生を立派な医療人に育て、各施設に配置していくという大きな使命を果たすために、技能や技術と共に礼節や人としての良心も身に着けるべきだと伝えています。
横浜旭中央総合病院の強みやアピールできる点についてお話をお聞かせください。
われわれは、予防医学に非常に力を入れております。人間ドックに関しては、一部日曜日・祝日にも受診者を受け入れており、平日はお仕事などで忙しくなかなか人間ドックを受けることができない方への利便性も向上させています。これからも、より多くの方に人間ドックを受けていただけるように体制を整えることで、病気の早期発見・早期治療を目指し、受診者の健康を守るサポートしていきたいと思っております。
人間ドックや検診で重大な疾病の早期発見につながったケースがあれば教えてください。
病気は見つかるも、治るも運と縁だと私は思っています。私は、これまで肝臓病を中心として受診者を診てきましたが、私が絶対に大丈夫と思っていても病気が見つかったり、肝臓以外のがんが見つかったりなど、やはり定期的なチェックや小さな自覚症状を見逃さないことがすごく大切だと感じています。そのため、定期的に検査を受けていただき、ご自身で感じる小さな自覚症状を見逃さないでいただきたいと思います。
予防医療の重要性について、先生の考えを詳しくお聞かせください。
糖尿病は、必ず薬が必要なケースばかりではなく、食事や運動で改善することは十分に可能であるため、予防医学でもとても大切なポイントでもあります。また、脳梗塞や心筋梗塞と言った血管系の病気やがんは糖尿病の初期を見逃さないようにすることから始まります。そのため、成人病検診が非常に大切です。社会人として自分自身の役割を全うするためには検診が必要であり、検診を利用して自分のメンテナンスをしていただきたいです。
予防医療の重要性を伝えるための取り組みについて詳しく教えてください。
以前にメタボ検診と言う言葉が流行しました。これは、糖尿病という観点からするとスクリーニングには良いのかもしれませんが、一般市民からするとどこまで受け入れられているのかと疑問には思っています。今後は、組織に属さない方の健康をどのように守っていくかも大変重要な課題であるため、われわれが率先して地域に出て行って、健康相談、学習、催しを行っていく必要もあると思っています。
最後に、サイトをご覧になっていらっしゃる方達へメッセージをお願いします。
残念ながら、健康や幸福はお金で買えるものではないと思います。お金を出して得られるものは、強いて言うのであれば、心の満足感なのかもしれません。そのため、自分の健康を自分で感じて、自分で幸福になるようにもっていくしかないような気がします。ぜひ、自分の健康は細かなところまでチェックしてはいかがでしょうか。